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自己満足系気まぐれ更新日記

2023/05/10   内村航平「やり続ける力」講演会 2023.2.19(前編)

先日、内村航平が
本を出版した記念に講演会をやるというので行ってきた。

先日といっても 2/19 なので、

遡ること約3ヶ月・・・ウォッホ!!ウェッホ!!ゲッホ!!

まったく、どんだけ寝かせるんでしょうねーー。

いやー、ちょっと忙しくってさー。

にしても3ヶ月って、酷いわねー。まあいいか。


講演会は定員100名、1万円。
そこそこのお値段なので、

公表された時は

どうしよっかなーなんて言ってたけど、
結局行ったね。行ってきたね。

私、内村航平については
体操選手として好きなのはもちろん、
そのマインドについても結構惚れ込んだところがありまして。
今回出版された本はどちらかというと、
体操競技よりもそのマインドにスポットが当たった内容。

書籍タイトル、「やり続ける力」。

あぁーもう、
これぞっていうタイトルですね。
練習第一、練習の鬼。
日々誰よりも練習してきた内村航平そのもの、
って感じのやつ。

常に自分の理想を持ち、
そこに近づくよう努力すべし。
そのためには毎日練習。決して基礎を怠らず。
・・・って、
言うは易しだがなかなかできない。続かない。
私みたいな己に甘い人間は、特にそう。
できない理由は色々あるが、
結局のところはどれもこれも言い訳である。

分かっております。
分かっておりますとも。

むしろ、分かってるのにできないって、
「やる」「続ける」のハードルの高さ、
どんだけぇぇ。
そのハードルの高さイコール
己に勝てない気持ちの弱さだと思うので、
あたしの気持ちの弱さってば、どんだけぇぇ。
己に勝つ力の無さ、どんだけぇぇぇぇぇ。

だがしかし、内村航平という人は
そこんところが本当に凄い。
凄いと言うより凄まじい。
とにかくとことん徹底的に
己に勝って勝って勝ち続ける。
信念の強さとブレなさ、とんでもない。
元々体操の才能があったわけではなかったのに
今や体操界の革命児にまで上り詰めた、
その内村航平の一番の凄さは
やっぱりそこだと私は思う。
「継続は力なり」って、昔の人はよく言ったもんだよねー。
その凄さを一言で表したフレーズを、
ズバリそのままタイトルにしたこの度の書籍。
今回の講演会ではその本の内容を
さらに深堀りして喋るらしい。

それを言われたらもうーーーーー
ここまで語った私に
講演会不参加って選択肢、あるんか!?
ないよな!?


ということで、
長い前置きをようやく切り上げ、いざ飯田橋。
(会場、KADOKAWA 本社ビル)


公演の内容は全体的に、
先ほど私がくどくど語った
「内村航平のここが凄い!!」って点を、
やはり!!とか、
ですよね!!とか脳内で叫びながら
1つ1つ確かめさせてくれるような内容。
新しい情報を得るというよりは、
やっぱり凄い、やっぱり好き、っていうその気持ちを
今まで以上に固くさせてくれる公演だった。

うーーーーん、充実。
来てよかった。

私の場合、
内村航平という人に対して「凄い」と思うことはほぼ全て
「私も見習いたい」と思うことなのだけど、
先にも言ったとおり、
私はそれが呆れるほどできてない。

日々の鍛錬。
抜かりない努力。

だってそれ、ツラくて面倒だから。

となると、内村航平という人の場合、
それは辛くないのか?がまず気になるところだが、
その答えがいきなりコレ。


「辛すぎて笑えてくるから辛くなかった」


何それ!!突き抜けてんなーーー!!
やっぱりキングともなると言うことが違うわ。
早速変態。


この日の公演はこういう、
「やっぱりそうか!!」と「何それ!?」が
同時に襲ってくる場面が多々あった。
「何それ!?」はどちらかというと、
意外性とか新たな発見というより
「やっぱりそうか」と思ってたことを内村自身が語るとそんな表現になるのね!?
っていう「何それ」。
さっきの「辛すぎて~」とかが正にそれ。
1つのことを突き詰めようとしている人が自分の中で練っている言葉って、
聞いてて本当に面白い。
特にこの人、内村航平の言葉は、
核心を突いててめっちゃシンプル。

例えば、常に理想を持ち続け、
それと照らし合わせて自分に足りないものを知り、
そこを理想に近づけるための努力をする。
どうしたら近づくかを考え続け、
それを実践し続ける。
そういう行為を、この公演で聞いた内村自身の言葉で言うと
こうなる。

「常に自分自身を研究している」

なーーーーーるほど。
自分を知るっていうのはよく聞く言葉だが
自分自身の研究ってのは案外聞いたことなかった。
だが分かりやすい。
研究の先には進化があるしね。
しっくり来まくる。
そして、「研究」と言うだけあって、

実際に内村は自身のデータを取り溜めているそうな。
例えば、朝起きてこれをやると
練習のコンディションがこうなるとか、
何時間寝ると体の調子がこうだとか。
わー。マジで「研究」じゃんーー。

ちなみに内村は自分の癖として
言葉の意味をすぐに調べちゃう、というのを挙げていた。
うっわ!!
そこ一緒!!私も一緒!!!
ハイ!!先生私もそこ一緒ぉおお!!
いやいやどうどう落ち着けよって感じだが、
でも、
内村の足元にも及ばない私にも共通点があるなんて
嬉しすぎて小躍りを禁じ得ないよ。

うひゃひゃ。

その「言葉」に関して興味深かった話が「天才」の話。
「天才」とは「生まれつき備わった優れた才能」であり、
それを持っている人のことだけど、
「天才」と言われることも多い内村は、
自分では自分のことをそうは思っていないし、
なんならそんな人ほとんどいないんじゃないかと思ってるそう。

そうよね。

天才と言われる人ほど努力してるってよく言うけど、
その言葉が示す通りだと私も思う。

そう言うと今度は
「努力の天才」とかいう言葉が出てきたりするのだが、
そう言われることに対してどう思うか?と聞かれた内村、
インタビュアーの言葉に食い気味で

「要らないッス。
 "努力" に "天才" は要らないッス。」

はっや。

更に続けて、
「努力は誰でもできるので、それの『天才』って何ですかって話で~」
と当たり前のようにサラッと言うし、
最終的に、
「天才って言葉があるのがダメなんスよ」

だそうだ。

「天から授かった・・・って、
 ないッスよそんなの(キッパリ)」 

ないんだw
言い切ったw

ただ、そう言いつつ、
自分のことを天才と思わないだけで
他人に対しては「この人天才だな」とか思うこともあるそう。

ナイス矛盾。
それでこそ人間。

内村が天才だなーと思う人として
例に挙がったのが釈迦。
いきなり凄いとこきた。
でも意外な所でもう1人。
こないだの世界体操で日本代表にもなった
土井陵輔。

へぇ!!
あの人、そんな人なんか!!

なんでも内村曰く、
何も考えなくても体操ができるし、
なんなら何も考えてないのだそうな。笑
へーー。知らなんだーー。
試合後のインタビューで全然物怖じしてなかったから、

こりゃ大物タイプか~とか思ってたけど、
まさかそこまでの天才タイプたぁーね。
こりゃぁ今後も注目だわ。

ところで、
先ほど努力は誰にでもできると言い切った内村、
最近ゴルフを始めたそう。
体操に関しては昔言われた
「世界一になる奴は世界一の練習をしてる」
という言葉を大事にしてるそうだが、
ゴルフでも世界一の練習を目指してるんですか?
とインタビュアーに聞かれ、

内村「・・・目指してますよ?」

ちょっと間、あったね?笑

いや、私としてはむしろ良かったけど。笑
即答で「はい」とか言われたら、
自称体操クソ馬鹿野郎だけでは飽き足らず
ゴルフクソバカ野郎にもなるおつもりか、
とか言って腰抜かすとこだったわよ。
内村が言う「世界一の練習」をゴルフでもやってたら
あっという間にタイガーウッズ超えちゃうわ。
(そんな甘くないだろ)
でも、たとえ5分でも毎日素振りはやってるそうよ。
フーム。言うだけあるのね。

内村「毎日やらないと意味ないっス。」

毎度毎度、言い切りの力強さよ。
いちいちグサっと刺さるわぁーーー。
(目標あるのに毎日取り組めてない人)

ちなみに、「1日5分でもいいから」という言葉は、

私も子供の頃にピアノ教師に言われたことがある。
それを今までずっと覚えているくらい
「確かになぁ」と思っているのに、
出来ていないのはどこのどいつだぁーい?
アタシだよ!!
って話です。
そんなそのセリフ、
内村航平様の口からも聞いたとなれば、
こりゃぁー、やらない訳にいかないわねー。
ねぇぇーーーー。

でも、そんな内村にも
練習したくないなぁ~と思うことは
「そりゃありますよ」だそうだ。
ホッ。
そうなんだぁー。良かったぁぁー。
それが無かったら危うく私、
内村航平を神の子認定するとこだったわ。
私は神の子より人の子が好きよ。
だったらそんな時はどうするのか?というと、
「考えないようにする」のだそうだ。
考える間でもなく、やるものだと決めちゃう。
やだなーとかいう思いが芽生えたら打ち消す。
そうかぁー。
確かに考えたらダメなのかもなぁぁ。

内村「やらないって選択肢はないです。」

マジ、ほんと、言い切りが強い。
意志の強さハンパない。

でもそれ聞いたインタビュアーが、
僕なんか朝起きるのやだなーって思って
布団の中で30分経ってたとかよくありますよ~

って言ったら、
「あ、最近はそうですよ。
 結果出さなくて良くなったんで笑」
だって。
ダラ~っとすることも多くなって
今までの自分が別人のように感じたりするんだとか。
あら、そうなんだ♪
ここでまた一安心すると同時に、
目標を持つ、理想を持つということは、
いかに人を強くするかってことだなぁーとしみじみ。
多分、多くの人間は甘えちゃうのがデフォルトだもんね。

内村「自分に勝つのが一番難しい」

ごもっとも。
その、自分の中の自分に勝つ原動力が
目標や理想ってことなんだなぁー。

ちなみに内村はよく
自分の中の自分と対話しているそうなのだが、
その対話に没頭しすぎて
会話(?)が口に出てることも多いらしい。

 

インタビュアー「どんな会話なんですか?」

内村「そんなもんか?ってもう1人の自分が言うので、
 『いやまだ行けるし』とか」

内村「誰と喋ってんの?って言われたこと、何度かあります」


うーん、だいぶヤバい。(褒めてる)


インタビュアー「もう1人の自分、厳しそうですね」
内村「厳しいです。一番厳しいです。」

 


でしょうねぇぇぇ。

 


そんな調子の内村(特に現役時代)は、
「常に毎秒何かと戦ってる」状態だったのだとか。

「喋りながら次の日の練習のことを考えるんですよ。」

うへーー!!
何その "1分 1秒気が抜けない" を
絵に書いたような心掛け!!

「人間、右脳と左脳があるんで、それを交互に使って~」

いやいやいやいや。
そんな、右脳と左脳を控え選手みたいに言う人、
初めて見たわ。
しかも、

そこまでやってたら競技にも自信満々で臨めます
とか普通は言いそうなもんだが、
内村航平は違う。

「ある程度の結果を残すともう、
 試合前によく『どうせ勝つんでしょ』とか、
 『大丈夫でしょ』とか言われるんですけど、
 自分が一番自分のことを大丈夫だと思ってない」

どんんんんんんだけ自分に厳しいのだ。
ドMなのか?いや、ドSか?
自問自答だけにどっちか分からんぞ??

 

でもそれ、
現世界チャンピオンの橋本大輝と話してみたら
同じこと考えてたそうな。
なんっ・・・と孤高な。
2人揃って自分を疑い続けてるとは。
一度頂点に立った人の戦いっていうのは、

本当に孤高なものなのね。
でも、孤高ゆえに美しい。
だから私は体操競技が好きなんだと思うのよ。
相手を倒すための戦いにはない美しさが、
そこにはあると思うんだな。

だから、
たとえ「きっと勝つ」と確信している試合でも目が離せないし、
手に汗握って見てしまう。
勝敗だけじゃなく、どう勝つか、どう魅せるか。
そこがまだ見どころだし、
それにこだわって戦う選手の凛とした姿って
何とも痺れる美しさがあるよねー。


内村

「自分に自信を持つ瞬間は競技が始まってから。
鉄棒だったらバーを持つ瞬間。
その時からでいいんですよ。」


ちょっと何それ。カッコよすぎんか。
またそれをサラッと言うのよねー、この人は。
ハァーーーン。


そこまでストイックだと、
考え事はだいたい辛いことばっかなんじゃないか
って気もしてくるが、
そこんところ内村は逆で、
必ず、良い方向に行くにはどうしたらいいか?
ってふうにしか考えないそう。
こうなったらどうしようみたいな悪い想像は
とにかくしない。

いやー、シンプルに素晴らしい。
こういうところに、
人生を幸せにするヒントってのはある気がするよね。
ちょっと考え方を変えるだけ。
「こうなったらどうしよう」じゃなくて
「こうなったらこうすればちょっとマシになるかな」って
思えばいいんだけ、という。
私も普段から心掛けてることではあるが、
内村と同じ心掛けとあらば、
これからもふんぞり返るほど胸張って
その心持ちで行く所存。

そしてもう一つ、
最近私が特に心がけている言葉が
この日の内村の口から出た。


「他人に期待はしない。」


オッフ。でた。
私が言動に注目する人、みんなこれ言う。

最初にこの言葉を聞いた時は
「この人の今後が楽しみ」的な心情を否定するような話にも聞こえたので、
えぇぇー、寂しいしつまんないこと言うな・・・
と思ったりもしたのだが、
そういう意味ではないのよね。
私なりの解釈をニュアンスで言うと、
「こうしてくれたらいいな」はまぁいいが、
「こうしてくれればいいのに」はやめた方が良い、

「なぜこうしてくれないのか」はわりと危険信号、
って感じ。
他人をコントロールしようだなんて傲慢だし、
思い通りにならなくてヤキモキするだけだからやめた方が良い、

って話ですね。
確かに、それを心がけるようになったら、
精神衛生が良い状態を保ちやすくなったと思う。
なので、
今や私も大事にしている言葉ではあるんだけど、
やはり少し冷たく聞こえるこの言葉。
でも、そんなこの言葉に内村航平という人は
ちょっと素敵な一言を付け加えていた。

「思いやりは持つが、期待はしない。」

うへー。良すぎる。
メモメモ。超メモ。


公演の内容としてはまだまだあるのだが、
記事が長くなりすぎたので
いったんここで一区切り。
ここまでが心持ちとか思考の話、
後半は体操競技そのものの話とその他の話を綴ります。
 

 

■内村航平「やり続ける力」講演会 2023.2.19(後編)

http://www.mimuroid.com/blog/posts/archives/578

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