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自己満足系気まぐれ更新日記

2023/05/10   内村航平「やり続ける力」講演会 2023.2.19(後編)

長々語った内村航平講演会、前編
続く後編は、体操競技により直結した内容と、
その他、オマケ的なあれこれ。


まずは選手として脚光を浴びる前の話。

内村は高校進学時に親の反対を押し切って単身上京しているのだけど、
そのエピソードを初めて知った時は大変意外だった。
両親共に体操選手で実家は体操教室っていう
この上ないぐらいの体操サラブレッド家系なのに、
応援されることはあっても反対されるとはね。

それは内村航平本人も同じだったそうで、
第一印象は「おや、反対してきたぞ」だったそう。
でも同時に「ま、反対しても意味無いけどね」と思っていて、
両親から何度も反対理由を説明されても、
うん、わかった。でも行くけどね。
って感じだったとか。笑
そこまでの感じだったなら
相当の考えがあってのことだったんだろなぁ~と思ったら
意外にもそうではないらしく、
中学時代から何度か東京での練習に参加するうちに
高校はここで体操をやりたいな、という思いが

自然と芽生えたん結果なんだとか。

 

内村
「決意は固かったけど、考え自体は浅かったです。」

 

へぇぇ。これまた興味深いお言葉。

意外と若者らしい発想だったのね。

もし体操選手になっていなかったら~という話では、
体操以外に興味があるものとして出てきたのが
分析、研究。
中でも物理が好きだそう。

ここでもやっぱり体操に繋がってるのねー。

物理法則を無視してスポーツはできないし、

体操なんて特にそうよね。
別の場所でも着地の時に描く放物線へのこだわりを口にしてたし、
うーむ、納得。
物理好きだから「ガリレオ」シリーズも好きらしいよ。

実験と検証を繰り返す感じが良いんだとか。


ちなみに、幼少期の夢は白バイ隊員だそう。

へぇー、意外。

何となく内村には乗り物のイメージが無かったわー。

なにげに気になっていたので聞けて嬉しかった話が、
オリンピック開催を巡っての発言の話。
まだオリンピック開催の結論が出ていない頃、
とある国際親善試合の後に内村がメディアの前で、
オリンピックは開催されてほしい、
そのためには皆が同じ気持ちでそこに向かっていく必要があると思う、
だから、どうしたらオリンピックを開催できるかを皆で考えたい、
それを皆で考える世の中になって欲しい、
という趣旨の発言をして、
賛否両論巻き起こったのは、まだ記憶に新しい話。
私なんかは当時、
自粛、自粛の雰囲気に辟易してたし、
オリンピックは楽しみにしてたから、
よくぞ言ってくれた!!と思ったもんだけど、
バッシングも結構あったようで、
何となく「炎上した」の扱い。
世の中オリンピック反対派の人は多かったから、
バッシングはまあ想定の範囲内だったんだろうな~と思いつつ、
実際そういう声を浴びたら浴びたで、
多少なりとも心を痛めたりしたのかしらとか、

発言の際の心境はどうだったのかとか気になっていたが、

内村本人によれば

まず、発言の際の心境はこう。

「全く何も考えてないです。」

 

おっと、軽い・・・!!
そして、バッシングを受けたあとの感想はこう。

「オリンピック選手がオリンピックやりたいって言って

 何が悪いのかなーって」

カァーーーーッ。
表情一つ変えずそう言う内村の、
意に介さず具合が気持ち良すぎる。

要は、思ったことを言っただけっていうスタンスのようで、

ブレない内村節が全開でうひゃうひゃ。(私が。)
内村は常日頃から
「言いたい奴には言わせておけ」がモットーだそうで、
だからこの時も全然気にならなかったそう。
ハァン。かっけぇなぁ。
その精神、私も早く手に入れたい。

内村「メンタルモンスターなんで」

モンスターって。
凄いな。

でも、
自分に対しては何言われても平気でも、
後輩は悪く言われたくないし守ってあげたいと思うのだそう。
うーん。
内村のそういう所、好き。
何を言われても気にしないけど、
何を言われても聞いてないわけじゃーないのね。
ブレない人ってのはこうなんだなーと、

改めて尊敬の眼差しで見る私。


体操競技自体の話については、
まず笑ったのがこれ。
引退試合の時の演技について、

「あんなのはザコです」

ザコw
そこまで言うかw
(チケット取って見に行った人)

そんな内村の理想の体操はというと、
「『体操を見てる』って思わせてるようじゃダメだと思う」
だそう。

 

マジでほんと、何てこと言うのこの人は。

ちょっと想像飛びえてきたな。

 

内村が言うには、

芸術とか他のものみたいに、
見てるだけで感動する、知識なくしても見とれる、
そういうものが理想の体操だそう。
体操クソバカ野郎の目指すところは
体操の一歩上言ってた。
ホント凄いし、ちょっと感動。

 

でも、その内村が思う「体操の面白さ」は
逆にそんな崇高な感じじゃなくて、
ライトな言葉で語られてたのがとても良かった。
ワードとしては、

非日常、超人感、ヒーロー感。
子供に体操を教えたり勧める時は、
バク転できると女子にモテるよ、って言うんだって。笑
あとは、

技ができた時の達成感がデカいのが
体操やってて楽しいことだとか。
例えて言うなら、
子供の頃にチョコレートを貰えたときみたいな感覚だそうで、
それを聞いたインタビュアーがすかさず

「やっぱり好きなチョコレートはブラックサンダー・・・?」
と問いかけたところ、
だいぶ食い気味で内村、

「んんんもちろんです」

前のめりぃぃw

やっぱり内村と言えばブラックサンダーよね~ってことで、
インタビュアーにも
「俺のお陰でブラックサンダーが有名になった、
 みたいな思いってありますか?笑」
って聞かれてだけど、
本人は「そうは思って無いですけど・・・笑」って言っていた。
いやいや。
あのお菓子は確実に内村のお陰で知名度上がったと思うわ。
かく言う私も、内村の口から聞いて初めて知ったし、

そこは自負して良いんじゃないか。
元々ブラックサンダーって関西圏での販売が多くて、
関東ではあまり売ってなかったらしい。
発言当時の内村本人は
そのこともあまり分かってなかったようで、
好きなお菓子だか、必ず持っていく食べ物だかを聞かれて
軽い気持ちで

「ブラックサンダーですかね~」って言っただけだったのに
こんなに話題になるなんて・・・

って感じだったそうな。

そんなブラックサンダー、
今じゃ関東でも普通に見かけるようになったよね。
こりゃ絶対内村効果だと私は思うわ。

体操の良いところ的な話としては、

日常生活でケガをしにくくなるって話も出た。
転んだ時の受け身だとか、
ケガをしないような手のつきかただとか、
そういうのが身に付くんだそうな。
内村自身のエピソードとして、
自転車に乗ってて車と衝突して吹っ飛ばされたけど
無傷だったらしいよ。笑

いやいや、エピソードが過激すぎ。笑

でも、
体操というスポーツ自体は結構ハードっていうのが、
ちょっと逆説的というか何というか。
体操をもっと人気スポーツにするために
もう少し試合数を増やしたい、というのがあるそうなのだが、
体への負担が大きいのであまり試合数を増やせない

というジレンマがあるらしい。
なんでも、
個人総合6種目をこなすのは
軽トラに1回ひかれるくらいのダメージがあるんだとか。

これまた過激な。笑

 

内村「(試合は)月イチとかでも無理ですね・・・」

 

まぁー、確かに毎月軽トラにひかれるとか、

無理だわね。


試合に関しては、緊張するから苦手な選手もいると思うが、
内村は逆にその緊張感が良いってタイプだそう。
実際どういう感覚なのかというと、
例えば鉄棒の演技前は、
四方八方にビームを打つ、
それを最後にギュッと集めて受け取る、
・・・みたいな感じだそう。

ほぅー。独特。
で、着地は「時間を止める」。
着地を止めるんじゃなくて、時間を止める感覚だそうな。
「着地した」は、内村に言わせれば
まだ手の上で転がされてる段階だとか。笑
昔、コマネチ選手が着地をピタリと止めた後に
「今のはダメだ。目が動いてた。」って言われたという
有名なエピソードがあるのだけど、
その上を行くのが理想だって。
ほげー。またまた言う事がさすがだわぁぁ。

そんな内村が凄いと思う選手として、
シェルボという選手の名前が挙がっていた。
私は知らない選手だったのだけど、
なんと、バルセロナ五輪で金メダルを6個も取ったらしい。

6個!!!
体操の個人競技は個人総合と6種目の種目別なので、
7個ある金メダルのうち6個をこの人が取っちゃったってことね。
うへぇぇ!!!
そんな化け物みたいな選手がいたのか・・・!!
内村の記録も相当なものだと思うが、
内村曰く、
やっぱり1回の試合でそれだけのパフォーマンスを出すということは本当に凄いし、
自分はとてもそこに及ばない、
と思うのだそう。
しかも、

シェルボがこの記録を出した時、
北京五輪の時の内村の歳とほぼ同じ歳だったそうで、
そういう意味でもとんでもない選手だった模様。
ほげー。知らなんだ。
上には上がいるのだねぇ。



最後は完全に体操と関係ない話。
質疑応答コーナーで
ブラックサンダー以外で好きな食べ物を教えてください
という質問があったのだけど、
内村の答えは、
長崎県民だからカステラ好きということで
福砂屋の「五三焼カステラ」。
本当は長崎にある岩永梅寿軒という店のカステラが一番好きだそうだが、
朝から並ばないと買えないようなガチのやつで、
内村も数えるほどしか食べたことないんだって。
質問した人が、教えてもらったやつを自分も食べたいと言っていたので、
ちゃんと買えるやつを教えてくれた模様。
優しい。笑

質疑応答コーナーでは他に、
この講演会の約1ヶ月後に出演が決まっていた羽生結弦のアイスショーについて、
見どころや注目して欲しいポイントは何ですか?
というものもあったのだけど、
「知っちゃったら面白くないじゃないですか(ニヤリ)」
とのことで、
「体操はやります」以外教えてくれなかった。
ホホホ。そういうタイプなのね。


以上で 11:30 - 13:00 の講演会は終了。
最後に書籍のお渡し会があったのだけど、
なんとご本人のご厚意で、
感染症防止のため握手はダメだけどハイタッチなら OK

とのことで、
書籍お渡し時にハイタッチさせてくれた。

ギャーーーーー!!!

大変だーーー!!!

私、こういうの、めちゃくちゃ緊張するタイプ。

ハイタッチがどうの以前に

お渡しの時に何言うかも全く考えていなかったので

(考えて来いよ)
前の番の人の様子を見ながら、

みんな結構本人と喋ってる~!!
うわわわわわ何言おう何言おううううう

と、今さらになって1人で冷や汗。
だが嬉しい。

ハイタッチは嬉しい。
超絶嬉しい。

でも緊張。

 

結局、
講演会の内容、分かりやすくて面白かったので
また機会があったら聞きたいです、
私も体操がもっとメジャースポーツになってほしいので、
まずは周りに広める所から始めます、
・・・ってな感じの、面白くも何ともないことを

ワワワーーっと喋って帰って来た。
なんか思い出すだけで恥ずかしい。

この歳(アラフォー)にもなると

年々恥ずかしいと思うことは激減してくるが、

こういうのが一番恥ずかしい。
ちなみに内村ご本人の受け答えは、

 

「はい。」

 

ひゃぁw

一言ぉぉぉおww

まあ、あの内容じゃそれぐらいしか言う事ないよねw

たぶん焦りが顔に出てただろうなーーー

ひーーー。恥ずかしい。

でも、

たった一言でも「はい」って言ってもらったので、
よっしゃ。私は内村と会話したわ。やったね。
(会話っていうのか)

 


これで私はまた1人、
私にとっての神に触れてしまった。
畏れ多いこと限りなし。
でも、

こういう時すぐに記憶を飛ばしてしまいがちな私、
今回は記憶飛ばさなかった。
偉い。
もうそれだけでアンタは偉い。

よくやった。
終わった後は汗止まらないし、
そのくせ帰りに寄ったカフェでホットコーヒー頼んじゃうし、
そろそろ落ち着いたから帰りましょと思ったら
逆方向の電車に乗っちゃうしで、
オイオイ色々大丈夫かって感じだったが、
無事に家にもたどり着いたので、

結論、やはりよくやった。
 

 

ハイタッチの時、
「体操クソバカ野郎」って言葉、最高です。
って、言えば良かったな。
・・・いや、
こんなチキンメンタルで言えるわけないな。
うん。言えるわけない。
 

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