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自己満足系気まぐれ更新日記

2019/05/12   PIERROT とイエモンと変革期

昔イエモンが一度解散した時のインタビュー記事を読んでたんだけど、
なんか PIERROT に似てるのよねー。


■「8」インタビューと「PUNCH DRUNKARD」
http://spin-off-blog.mimuroid.com/?eid=321

 


イエモンの場合、
アルバム「SICKS」で自身の中でのピークを迎え、
その次は、攻めたロックの色が強い
「PUNCH DRUNKARD」を引っさげ、
危機を抱えた綱渡りをしながらのロングツアー。
その後出たアルバム「8」が
今までにないくらい冷たくて無機質な感じの作風で、
そのアルバムを最後にバンドは活動を停止。


この、「SICKS」「PUNCH DRUNKARD」「8」を、
PIERROT の「HEAVEN」「ID ATTACK」「FREEZE」に置き換えても、
ピタリと話が当てはまる。


イエモンの「PUNCH DRUNKARD」のツアーは
公演数 113 本というモンスター級のツアーで、
その過酷さとバンド内の異様な雰囲気、
後に幾度となく語られて映画にもなってる。
PIERROT の「ID ATTACK」のツアーも公演数は最多。
「超ロング」ツアーではなかったけと、
その代わりアンコール騒動があって
(本気のアンコールにしか応えないけど
逆に本気なら際限なくやる的なやつ)
1公演で最高 30曲超えとかやってた凄まじさ。
バンドの雰囲気もちょっと不穏だった。

そんな両バンドのそれぞれのツアー、
「ヘビーだけど、でもここでやらなきゃならない」
「膿は出し切らなきゃいけない」
という覚悟のコメントをメンバーに出させた、
決意表明のようなツアーでもあった。
両バンドとも、選ぶ言葉までよく似てるって有様よ。

そんなツアーの次のアルバム、
イエモンは「8」。
冷たいんだよー。
それまでの熱っぽさと比べると、
異常なほどクールでハード。
しかもこの素っ気ないタイトルよ。
8枚目だから「8」て。
で、
PIERROT の場合はこれまた
うわっ、ていうくらい冷徹な仕上がりの「FREEZE」。
急にお家芸のコンセプト志向引っ込めるわ、
活動休止前のアルバムにしてタイトル「FREEZE」だわ。

そんな 2作品は両者共に、

活動を止める前の最後のスタジオアルバム。

もう、なんかズバピタじゃん。
PIERROT もイエモンも、すげー突き放し方。
考えてることだいたい同じなんじゃないの?
って言いたくなってくる。笑


きっとこれ、
多くのバンドが辿る道ってことなんだろうなー。


解散前のイエモンの最後の作品「8」を語る言葉でムムっとなったのは
「バンドのためのアルバム」
「出発のための助走」
PIERROT が語る「FREEZE」で今でも印象に残っている言葉は、
潤が言ってた「裸一貫」。

当時の PIERROT もイエモンも、
その時のありのままを作品に込めたんだろうなー。
コンセプトにも何かの期待にも沿わない生のものを、
一度世に出さなければ身動き取れなかったのかもなー。


もうなんか、ダメだわー。
両者のストーリー、
重なって見えちゃってしょうがないわー。


ところで私、
イエモンの「PUNCH DRUNKARD」も
PIERROT の「ID ATTACK」も結構好きで、
好きなポイントも似てる。
ロックで、攻めてて、たっぷりのライブ感。
両方ともヘビーなツアーを前提に作った作品だから、
似たところがあるのかしら。

こういう作風好きなんだけどさ、
作品の背景的に暗い時代だったりすると
好きじゃないってファンも多くなるから、
ちょっと寂しい思いしたりするの、難点ね。笑

実際、私の周りのラー友も

「ID ATTACK」の頃あがちゃったりして。
正直に言うと、
私もこの少し前にピエラーとしての手綱を少し緩めていて、
あ、新作でるんだっけ、忘れてたわー、
みたいなテンションではあった。
なので、
ここであがった人の気持ちも
なんだかどこか分からなくもない。
燃え尽きちゃったんだろうね、HEAVEN までで。

でもそんな私は逆に、

「ID ATTACK」の音源聴いてみたら、
おや!あれっ!
いいじゃん!新しいけどカッコイイじゃん!
聴くとライブ行きたくなるわぁ!
となって、
思いっきりスイッチ入れ直したの。
そこから私は一人参戦がレギュラーになったけど、
それでも PIERROT のライブはやっぱり楽しくて、
なんだ、もう、これでいいや、
一人でいいから私は PIERROT を追いかけてくわ、
となった思い出。

この新しさがまた、頼もしくも感じたんだよね、当時。
新しいことやっても、ちゃんとキメてくるな、
攻めの姿勢は自信かな、的な。
でも、
あとから振り返るとこの頃の PIERROT は
やっぱり少々おかしな雰囲気あった。
自信があったわけじゃなかったと思う。
キリトはやたらオラオラするし、
必要以上に尖ってたし噛み付いてたし。
バンド全体も、ちょっとギスギスしたところがあったような。
アルバムコンセプトも薄めたもんだから、
武器を捨てた感覚だったのかね。
不安とか焦りとか、あったんだろうなぁ。

それとは関係なく
潤のビジュアルはぶったまげるほど素晴らしかったけどね。

あらやだ、話ズレちゃった。
てへ☆
 


とにかく私はそんな PIERROT とイエローモンキーが好きだし、
その両者が変革に身を投じた時期の
「ID ATTACK」や 「PUNCH DRUNKARD」が

気になって気になって、
つまりとても好きなのよ。

なんとでも言ってくれて構わん。
音楽性もパフォーマンスの見せ方も
2つのバンドは全然違うけど、
でも、そこに同じ匂いを嗅ぎとっちゃう。
そんな両者の危うさやめちゃくちゃさが、
私は心底好きなんだわー、きっと。


リアリティほど眩しいものはないね。
そこを無視して綺麗なものを作られても、
私のような奴は多分、いつかそのうち飽きるんだわ。
そんで、
リアリティが生み出すギリギリの均衡を嗅ぎつけて
そういうのが美しいんだ!とか言って
ぐいぐい引っ張られて行っちゃうんだわ。
才能ある人間の苦悩が私にとっては魅力的だし、
たとえそれが空回りでも、
本気と闘争心が見える作品に惹かれちゃうわ。

どこまでも器用になれない、
危なっかしさが常に隣り合わせ、
そんな彼らが、私はとっても好きなんだー!!


あーよかった!
男を見る目までそうじゃなくて!
こういう心持ちは芸術や文学に対して抱くからいいんだよ。
日常をそんな存在に振り回されたくない。

私は受け止められない、そんな奴。
(湯気が出るほど真剣に)

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