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PIERROT曲考察 「Twelve」編

「【Twelve】って何が 【12】なの?」からの、
前後の収録曲を含めたあれこれ。

Twelve

CELLULOID
8曲目
ミニアルバム「CELLULOID」収録の「Twelve」、
一体何が「12」なのかは、ピエラーの間でもあまり知られていないのだが、
ひょんなきっかけで私、
とあるピエラーさんからひとつの仮説を授かった。

これが大変興味深い説で、自分でもあれこれ調べてみた結果、
私としてはもうこれ、正解なんじゃ・・・!?と思うところまで至った次第。
なのでその考察、過程を含め、以下にしたためておく。

Special Thanks to 大将, and Satsuki.

「Twelve」は「脳内モルヒネ」の続編?

長年放置していた謎が急に気になりだしたきっかけは、
ミニアルバム「CELLULOID」リリース当時の SHOXX のインタビューで、
キリトが「Twelve」について、以下のように語っていたのを知ったこと。
(以下、抜粋)

「歌詞は一度別れた人とまた出会う内容ですが、
なぜ『Twelve』(12回)なのかは『脳内モルヒネ』の続編ってことで考えれば分かると思います。」

分かるかーーーい!!
少なくとも私は、この曲を知ってから 20年経っても、
未だにサッパリ分からんぞ!!
キリトのオツムとしがないピエラーのオツムとの差、ナメんなよ!!
でも、「脳内モルヒネの続編」がひとつのヒントってことなのね?
だが分からん!!正解何!!

そんな折に、某ピエラーさんから授かった仮説がこちら。
「【Twelve】の 12 は【十二因縁】の 12 では?」

「十二因縁」というのは仏教用語で、「十二縁起」とも言うらしい。
宗教学的なものが好きな私ににとって、これは大変興味深い説。
さっそく以下、ちょっと調べて掘り下げてみた。

仏教の教え

「十二因縁(十二縁起)」とは何か?を語る前に、
仏教の基本的な考え方の話を少しだけ。

そもそも仏教の考え方では、この世は悩みや苦しみに満ちているもの。
このため、
「この世の悩み、苦しみはいかにして生まれるのか」とか、
「そこから解放されるにはどうすればよいか」とか、
仏教にはとにかくそういった方向の教えが多い。
「煩悩」とか「悟り」とかも、そういう教えのひとつ。
あれこれ考えてるようじゃ、魂は平穏じゃぁないんですって。

それから、この世、つまり生まれてから死ぬまでの間というものは
魂の輪廻転生からしてみればほんの少しの間に過ぎない、という考え方も、
仏教にはベースとしてある。
ということは、苦悩からの解放っていうのは何も、
この世に生きてる間に限った話ではない。
仏教の教えに沿って「どうやって苦悩から解放されるか?」を考える時には
生まれる前の生、生まれ変わった後の生は必ずしも別ではなく、
繋がりをもったものなのです。

・・・で?
という感じだとは思うが、以上を踏まえて、次の話題。

「十二因縁」とは?

改めて「十二因縁(十二縁起)」とは何かというと、
この世に生まれて死ぬまでの間に、苦悩はどんな順番で生じてどう変わっていくのか?というのを
12 の工程に分けて説明したもの。
この 12 の工程がどんなものかを語ると長くなるので、ここでは割愛。
知りたくなったら、文末のリンク先でレッツ・スタディ。
それよりここで大事なのは、
この 12個にはそれぞれ因果関係がしっかりある、ということ。

例えば、

「耳が聞こえ、言葉を理解できるようになったから」
       ↓
「職場で自分の悪口が聞こえてきて」
       ↓
「嫌な気分になり」
       ↓
「怒りを覚え」
       ↓
「職場に行くと人当たりが悪くなり」
       ↓
「そんな自分も仕事も嫌になった」

みたいな感じ。

この「そんな自分も仕事も嫌になった」を解決するにはどうしたらいいかというと、
何故そうなったの?を、逆順に辿っていけば根本にたどり着くよね、
それを消すことを考えればいいよね、
というのが「十二因縁」の教え。
この場合だと、
耳が聞こえなきゃいいし言葉なんて分かんなきゃいい、ってことになる。
なんか極端な話だけど。笑

これが適切な例なのかどうかはさておき、
そうやって、苦悩の根源とも言えるモノを消滅させると、
魂は苦悩そのものから解き放たれる。
それが「十二因縁」の言わんとすることなのだけど、
そうやって苦悩から解放されるっていうのは結局どういうころなのかというと、
ズバリ、輪廻から解放されることらしい。

「輪廻」って、解放されるべきもんなのかーい。
死んでも次の人生があっていいねぇ、とか、
お気楽なこと言ってる場合じゃないらしいよ。

マジか・・・、って気もするが、
でも、そもそもよ。
最初に書いた仏教の基本的な教えによれば、この世は苦行。
だったら、輪廻で何度も生まれ変わるってことは、
何度も苦行を経験するってこととも言える。
それに、仏教には「因果応報」といって、
前世の行いが次の生に影響するという考え方もあるので、
悩みや苦しみはずーっと繋がっていってしまうもの、
という言い方もできちゃう。
言い方を変えると、
輪廻から解脱することが苦悩からの解放だと。
おそらく、そういう事なんだろうね。

「十二因縁」と「生まれ変わり」で繋がる曲たち

そんなこんなで「十二因縁」と「輪廻」の話っていうのは
なんというかまぁ、理屈っぽい話ではあったんだけど、
ここで皆さん、お気づきかしら。
「輪廻からの解脱」と言えばこれ。

「鬼と桜」の冒頭の歌詞、
「輪廻を終えた魂には」

ホラきた!
「Twelve」の次の曲にしてこの歌詞の繋がり!!

そしてもうひとつ。
輪廻ってのは平たく言えば生まれ変わり。
そうなるとまた、ありますね。

前曲「脳内モルヒネ」のラストのサビの歌詞、
「もしまた生まれ変われるなら」

また繋がってるーーー!!

「Twelve」が「十二因縁」の意味だとするならば、
これはもう、
「生まれ変わり」というキーワードでこの3曲は繋がってると言えるじゃないか。
いよいよこの説、確信めいてきた。

この視点を元に、各曲を曲順どおりにストーリー立てて考えていくと、
まず「脳内モルヒネ」では、「死に場所」を探し、「生き続けることをあきらめ始めて」、
「この次出逢う時」つまり、生まれ変わった後の次の人生では「幸せになろう」と言う主人公。
この世の苦悩に耐えかねて、次の人生を思いながら今の人生の幕を下ろす、
「脳内モルヒネ」はおそらく、そんな曲。

そして、次の曲が「Twelve」。
苦悩から解放されるために次の人生を望むのなら、
「十二因縁」のように、その苦悩の元をたどって振り返りながら、
どうすれば解放されるかを考え、探らなければならない。
輪廻を終えるのか、それとも次の生をまた繰り返し、
苦しみからの解放の旅は続くのか、
それを決める過程にあるのが「Twelve」の場面、ってことなのか。

そして、その結論が、次曲「鬼と桜」。
「輪廻を終えた魂には どれだけの記憶が残っているのだろう」
という思いから曲は始まりつつも、
サビの歌詞は「禁句を越えた 俺の身体が 形を変えて 生まれ変わる」。
輪廻はここでは終わらなかったということね。

それを裏付けるように、次の曲は「HUMAN GATE」。
曲のテーマとも言えるサビの歌詞は、
「きっと誰もが同じだけの苦しみ背負いながら それでも笑顔見せている」
そして、
「それでも生きていかなければ」。
「HUMAN GATE」の主人公は紛れもなく生きているのだから、
この曲で歌われている人生へと、その魂は繋がったってことだよね。

主人公は救われたのか?

「脳内モルヒネ」の主人公が「Twelve」「鬼と桜」の世界を経て
再び生まれ変わったあとの人生は「HUMAN GATE」。
だとすると、
「きっと誰もが同じだけの苦しみ背負いながら」と歌われる人生は、
「脳内モルヒネ」で、来世では「幸せになろう」と願ったとおりになったのか、果たして・・・?
というところではあるが、
その答えは、聴き手に任せられているのかもね。
「それでも笑顔見せている」が答えと言えば答えなのかもしれないし。

少なくともこの主人公の輪廻は終わらず、苦悩の旅(=この世の生)はまた続くことになったけど、
それでも今の生を全うしようと心に決める、
それがこの主人公の、今の答えってことなのね、きっと。

まとめ

あくまで個人の仮説ではあるが、
「Twelve」の「12」はやはり、
仏教用語「十二因縁(十二縁起)」の「十二」を意味しているのだと、私は思う。

仏教の教えによれば、この世は苦しみに満ちた世界。
「十二因縁」は、魂が「輪廻」から解放され、苦しみから解き放たれるために重要な意味を持つ教え。
そして「輪廻」は「生まれ変わり」。

以上のキーワードを踏まえて「CELLOLOID」の収録曲に照らし合わせると、
人生に絶望し、「もしまた生まれ変われるなら」と願う「脳内モルヒネ」の主人公は
その次の曲、「十二因縁」を意味する「Twelve」で、
また生まれ変わるのか、それとも輪廻を終えるのか、
その魂の行方を決められる。
そして、「鬼と桜」の「俺の身体が 形を変えて 生まれ変わる」の歌詞のとおり
主人公はまた生まれ変わり、
最後は「それでも生きていかなければ」と歌われる「HUMAN GATE」の人生に繋がっていく。
生まれ変わってもまた、この世の苦悩は続いていくけれども、
それでも生きていこうと決意するところで、
ひとまず物語は幕を閉じる。
「脳内モルヒネ」から「HUMAN GATE」までの曲たちは、
「生まれ変わり」というキーワードを介して、
そんな1つの物語で繋がっているんじゃなかろうか。

その物語の意味するところは、
今が辛いからといって次の人生にただ期待だけをしてみたところで、
それで何かが解決するわけじゃない。
「HUMAN GATE」の「それでも生きてかなければ」は、
そういうメッセージなのかもね。
さらに言えば、
「苦悩からの解放」は、
来世やそのまた来世も含めた長いスパンで取り組むべき壮大なお題なのだから、
今が苦しいからって絶望するなかれ、
今、苦悩と戦うことは、来世以降の人生できっとその努力が報われるよ、
ってな感じだったりもするのかしら。

「はばたいた鳥たちが 晴れた空に帰って来る日まで」

きっとその日は来るよ、的な。

おまけ

「まとめ」の章にも関わらず
ここまでに出てきていない話を最後に書いてしまうが、
これらの曲が収録されたミニアルバム「CELLULOID」は、たしか、
人間ではない「セルロイド」という個体を主人公にした物語が軸になっている、
という話だったかと。
なので、たぶん「脳内モルヒネ」より前の収録曲「セルロイド」や「Adolf」からも
ストーリーは繋がってるんだろうなー。

そのあたりの話は、
キリトによる楽曲解説的スピンオフ小説「アルルカンの視界から」でも触れられていたはずなので、
それを読み返せばヒントが見つかりそうな気もする。
今回の考察はここまでにするが、
いつかその部分も含め、考察し直してみたいものよ。
(まずは我が家の切り抜きの山から「アルルカンの視界から」を探し出すところから。)

参考 URL

■出世観音(養老山立國寺)
悟りへの道「十二因縁」
http://shusse-kannon.life.coocan.jp/budda/budda5.htm

■常瀧寺
十二縁起「十二因縁」について
http://jyoryuzi.aki.gs/jyoryuzi20/hodou/jyuniinnen.html

■法楽寺
Paticcasamuppada「縁起(十二縁起とは何か)」
http://jyoryuzi.aki.gs/jyoryuzi20/hodou/jyuniinnen.html

■仏道入門【原始仏教】
十二縁起
https://sites.google.com/site/butsudonyumon/home/3 PIERROT曲考察トップへもどる。